リバースモーゲージ(Reverse Mortgage)とは
自宅を担保にして銀行などの金融機関から借金をし、その借金を毎月(或いは毎年)の年金という形で受け取る。契約時に一括一時金、或いは貸付限度額内で必要な時に必要額を引き出すプランもある。資金の使い道は事業性の目的を除き、生活費、レジャー、家屋の修理など利用者の自由である。年月と共に借入残高が増えていき、残高に対する利息も未払いのまま残高に複利的に加算される。契約満期時(例えば契約から20年後)または契約者死亡時のどちらか早い時期に一括返済しなければならない。契約者死亡の場合の返済義務は保証人または契約者の相続人が承継する。現金で返済できない場合は、金融機関は抵当権を行使して担保物件を競売にかけて返済に充当する。通常のモーゲージ(=抵当・担保)ローンでは年月と共に借入残高が減っていくが、この制度では増えていくのでリバース(逆)モーゲージと呼ばれる。
問題点
引き受け側(銀行)にとって、Exit(最終的回収)が(遺族に資力があり、担保不動産を確保したいと望まない限り)面倒である(競売にかけるのは手間で、売却の不確実性、リスクが大きい)。結果として、将来回収可能額見通しが厳しく低くなってしまう。そもそも「終身性」とはほど遠く、長生きをすれば打ち切られるし、不動産価値が下落しても打ち切られる(しかも返済を求められる場合がある)ので、何の安心感もない。ただし、これは日本の場合であり、欧米では、「ノンリコース抵当権付終身貸付」として、銀行がリスクを負担して文字どおり「終身」支払われるものもあるようである。
しかし銀行にとってリスクが多すぎる=その分保守的にならざるを得ないため、評価額・支払額限度が小さくなり、顧客側にとって魅力に乏しい。
欧米では、評価額の3分の1程度が限度額と言われている。日本でもそれと同程度か、それよりも低い可能性がある。